The D.O.T. JAPAN TOUR 2013 大阪公演レポート [音楽]
The D.O.T.の曲の中でもっとも好きな"Whatever It Takes"で幕を開けたThe D.O.T.のJapan Tour 2013。
最初に驚いたのは、ロブ・ハーヴェイの声がずいぶんと潤っていたこと。
以前のロブ・ハーヴェイの声は、もっと乾いていた気がする。
そして、以前The Musicで観た時の彼は調子の悪かったベースのスチュワートに対し、中指を立てたり、マイクのコードを使って首つりのポーズを向けるなど、かなり厳しいジェスチャーを示すという神経質な一面を見せていたが、今回のライブ中、機材の不調が原因と思われるトラブルで演奏し直すというも場面あったが、終始穏やかな様子だった。
その後、どちらかと言えば淡々とライブが進行される。
マイク・スキナーが操作する打ち込みが主体のトラックにたまに演奏されるロブ・ハーヴェイのギターリフが映える。
数曲が演奏され、気がついたのが、The D.O.T.の曲はどれもどこか切なさを帯びていること。
どうして今まで気がつかなかったのかが不思議だ。
そんなことを考えながら二人を見ていると、その距離感が気になった。
ステージに向かって左手にロブ・ハーヴェイのギターが2本とマイク、右手にマイク・スキナーの機材とマイクがセットされていて、サポートミュージシャンはおらず、ステージ上に立つのはロブとマイクの2人だけ。
この2人の間には少しスペースが空くのだが、ロブとマイクは必要以上にこの距離を縮めることはなかった。
そう言えば、CDのジャケットなどでも2人は一定の距離を保っているイメージが強い。
ひょっとしたら、この2人はパーソナルスペースがとんでもなく広くて、この距離感がちょうど良いのではないか。
ロブのこの穏やかな様子から彼がマイクのことをいかに信頼しているかが窺えるが、いかに信頼関係が強くとも、2人は音でしか重なることはない。
加えて、ロブとマイクは表面的にはかなり対照的な2人である。
バンドで活躍したロブとクラブ・ミュージックで活躍したマイク。
高音が魅力のロブと地のトーンを活かしたラップで魅せるマイク。
この日のステージも2人の対照性を意識したかのようなセットで、服装も対照的であった。
だけど、そんな2人がとても似た者同士に見えた。
おそらく、人一倍広いパーソナルスペースを持つ2人は「孤独」というキーワードで共有するものが多いのではないだろうか?
それ故に、いかに信頼できる人間が側にいようとも、人が潜在的に抱える「孤独」を2人の距離感は如実に現している。
The D.O.T.の音楽が切なさを帯びているのは当然とも言える。
The D.O.T.とは2人で表現する孤独。
だからこそ、強く切なく胸に響く。
そう強く確信した。
最後の一曲"Blood, Sweat And Tears"は特に感動的だった。
最後の最後で2人が揃って少し笑った。
孤独が溶ける一瞬を見たようで、泣きそうになった。
"Whatever It Takes" The D.O.T.
"Blood, Sweat And Tears" The D.O.T.
はりつめた孤独の氷が緩むような…。
なんとなくだったのですが、blood〜をバックに流しながら読ませていただいたのでラストにグッときました。
by あゆこ (2013-06-15 23:24)
あゆこさん、nice!&コメントありがとうございます。
100%主観的な内容なので、恐縮です(^^;
その後、Twitterでアップされてた写真なんかを見てみたら、東京会場の人が多くてびっくりしました。
大阪は人が少なかったので…。
ただ、このライブはじっくり観れたのがむしろラッキーだったかもしれません(^^)
by HanageDarake (2013-06-17 21:26)