PRIMAL SCREAM Japan Tour 2013 (11/7 Zepp Namba) [音楽]

お久しブリーフ。花毛・ダ・ラケでございます。ブログの更新は何と4ヶ月ブリリアント・グリーン。

冗談はさておき、11月7日、Primal Screamの大阪公演に行ってきたので、いろいろ語らせて頂きたく存じます。

開場の30分程前にZepp Nambaに到着。Zepp Nambaでのライブに行くのは初。Zepp Nambaでのライブのジャンプが原因で近くのビルが揺れるというニュースが記憶に新しい。残業中に建物が揺れたんじゃあ、気の毒だ…。それに、僕もいい歳。そろそろ落ち着いてライブを鑑賞できるようになりたいこともあり、極力、ジッとしていることにしよう。と、この時点では思っていたのだが…。

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開場まで暇を持て余している時はだいたい人間観察をするのだが、今回のツアーで販売されていると思しきパーカーを着ている女の子を発見。「まさか東京も行ったの??」と思いつつ、気になるのでたまに見ていたら、いつの間にやらパーカーを脱いでTシャツ姿に。(傍から見たら、さぞかし気持ちの悪いオッサンだったことでしょう。)でもって、このTシャツが『More Light』のジャケットがデザインされたTシャツ。おまけに、でっかいバッグを持ってうろうろしている。やはり、東京から来たようだ。お金と時間があっても僕にはとちょっと真似できない。この女の子はそれほどまでにPrimal Screamが好きだということで、ちょっと尊敬。ついでに言うと、ちょっとかわいかったです。(ますます気持ちの悪いオッサンですね…。)

そうこうしてる間に開場。整理番号が比較的前の方だったので、ちょっと右寄りではあるが、距離的には理想的なポジションを確保。あまりに近いと全体が見渡せないので、フロアの前方1/4あたりの距離が好みなのです。さて、ここから開演までが手持無沙汰。せわしなく、Twitterを見ては、無意味なつぶやきを連発。だって、落ち着かないんだもの…。

開演時間である19時を過ぎたあたりから、SEがフェイドアウトすると会場がざわつくが、元々その曲がフェイドアウトする曲だっただけだったり…。そう言えば、SEでエアロスミスの"Sweet Emotion"が流れていたのは意外な感じだった。Primal Scream側じゃなくて、会場側の選曲だったのかも。

そうんな感じで、開演時間を過ぎること十数分。ようやく会場が暗転。Primal Screamの面々が登場し、『More Light』のオープニングナンバーでもある"2013"のイントロが鳴り響く。鼓膜にまとわりつくようなねっとりとしたサックス。僕はやっぱりこの曲の中二病的インモラルな空気が大好きだと改めて実感。

続いても『More Light』からのナンバーで"Hit Viod"。この曲の間奏では、ボビー・ギレスピーが『More Light』のジャケットでお馴染みの誰が呼んだか通称"激おこポーズ"を披露。後にTwitterで知ったことだが、この"激おこポーズ"、実はけっこう貴重なものだったらしく、前日の東京公演(2日目)ではやっていなかったそうな。初日はどうだったんでしょうね?それにしても、この"激おこポーズ"しかり、ボビーはどんなポーズやダンスをしたって様になる。時にはコミカルでチャーミングでありながら、常にクールで色気がある。ボビーが直線的な体を折り曲げて踊る様を見ていて、浅野いにおの『おやすみプンプン』や『おざなり君』を連想した。ボビーが踊れば、きっと鶴瓶ダンスだってカッコ良く見えるだろう。

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"Hit Void"を終えると、一旦、『More Light』から離れて定番のナンバーを数曲。ちなみに、大阪公演でのセットリストの写真をTwitterで拝見したので、それを元にプレイリストを作成し、ライブを反芻しながら聴いているここ数日。何て便利な世の中でしょう。本編は"Rocks"までで、"Loaded"からがアンコール。"Loaded"の次あたりにもう1曲あったはずで、おそらくは"I'm Losing More Than I'll Ever Have"かと。聞き覚えのない曲だったけど、東京のセットリストには入ってるし、『Shoot Speed(More Dirty Hits)』に収録されていたので聴いてみたら、確かにこんな曲だったような…。『Xtrmntr』以降にPrimal Screamを好きになった僕は勉強不足で知らなかったけど、何でもこの"I'm Losing More Than I'll Ever Have"をリミックスしたのが"Loaded"なんだとか。確かに、曲のエンディングが"Loaded"。話が逸れたけど、書き出すのが面倒なので、セットリストはプレイリストのスクリーンショットで失礼します…。『Xtrmntr』以前の曲はベスト盤の『Dirty Hits』からピックアップしたので、こうやって見ると流れが分かりやすいですな。たまたまだけど。

話を戻して、再び『More Light』の流れに入って"Relativity"。この曲は変調が多く、エンディングは比較的まったりした曲調。なのに、そのまったりした演奏がどうも…。僕の位置取りのせいかもしれないけども、まずギターの音が大きすぎるし、全体的にも何だかまとまりがなかった。ちょっとスロー気味な曲は全般的に演奏がいまいちだったけど、"Relativity"は特に顕著だった。でも、それもPrimal Screamの持ち味かと。"Goodbye Johnny"なんて、新ベースのねーちゃんが何だかはにかんだ様子でコーラスしてる始末。

その後、"It's Alright, It's OK"で本編が終盤が始まり、このライブのハイライトに差し掛かる。"Country Girl"→"Rocks"の2曲が鉄板の盛り上がりを見せたと評する人が多いようだけど、僕は"It's Alright, It's OK"からハイライトの流れが始まっていると思っている。"It's Alright, It's OK"自体はそれほど盛り上がった訳ではないし、コール&レスポンスのレスポンスが不満だったようで、むしろボビーは寂しそうな表情を見せていた。(実はこの日、しきりに手拍子やコーラスを求めていたボビーだが、オーディエンスのレスポンスに不満そうな表情を度々見せていた。)それでも、この曲がハイライトの始まりだと思うのは、"It's Alright, It's OK"→"Swastika Eyes"のギャップこそがPrimal Screamの音楽的幅を最も見せつけた瞬間だったからだ。その落差による衝撃をオーディエンスに叩きつけた"Swastika Eyes"は、こちらがバランスを取り戻すことを許さず、マシンガンの一斉掃射のような電子音をひたすらに打ち込んでくる。そんな中、ボビーの決してうまいとは言えない歌声がやけにすんなりと耳に届く。弾丸が飛び交う中を悠然とこちらに向かって歩いてくるように。僕は理性を失ったような、トリップしたかのような感覚に陥った。この感覚はサマソニ03でのRadiohead以来。『Hail To The Thief』の楽曲を中心に構成されていたRadioheadのライブではライブ全体がこの感覚をもたらすことに貢献していた憶えがあるが、このライブでは"It's Alright, It's OK"の伏線と"Swastika Eyes"のみでぶちかました。気が付けば、間奏で最高潮に達し、夢中で頭を振っていた。「このまま事切れてしまうのではないだろうか。でも、この瞬間でなら、満足だ」とやけに冷静に考えていた。

"Swastika Eyes"が終わった時点で僕はクタクタになっていたが、"Country Girl"→"Rocks"とたたみかける。"Swastika Eyes"で空っぽになっていた頭にこれは効く。"Swastika Eyes"がもたらす危なっかしい感覚を思うと、実に単純明快で健全なノリだ。頭が空っぽなまま、ただただ飛び跳ねていた。純粋に楽しい。そうやって"Rocks"を終えた時、耳をつんざくような機械的な残響の中で見せたボビーのとても満足そうな笑顔が素敵だった。"It's Alright It's OK"で見せた寂しげな表情とはあまりに対照的で、「とても正直な人なんだろうな」と素顔を垣間見たような気がする。

疲労感とさっきまでの興奮状態とが混じり合って半ば放心状態になりながらも、僕は"It's Alright,It's OK"からの流れを反芻しつつ、手拍子を打ち、アンコールを待っていた。Primal Screamの面々が再び登場し、"Loaded"→"I'm Losing More Than I'll Ever Have"(多分)→"Come Together"。"Loaded"と"Come Together"はほぼインストの楽曲で、本編の終盤で精神的にデトックスされた直後にはたまらなく心地良い選曲。"Come Together"でひたすら繰り返される"Come Together As One"というフレーズをボビーとオーディエンスが歌う。明示的なメッセージで作られた暗示的な一体感。そして、ラストは"Movin' On Up"。最後に繰り返される"My Light Shines On"というフレーズが『More Light』と重なる。

"Movin' On Up"を終えて、オーディエンスに様々なポーズを向けるボビーが観客の1人から一輪のバラを受け取った。ボビーはそのバラを高く掲げ鮮明なライトで彩られたステージを歩き回る。やはり無機質な残響が鳴っていたような気がする。そのバラを媒体にして、再びボビーとオーディエンスが繋がったような気がした。が、次の瞬間、ボビーはそのバラをオーディエンスに向けて放り、ステージを去って行った…。

少し寂しい幕切れとなったが、最後にバラを放ったのは、天然だったんじゃなかろうか?と、ボビーのキャラクターを邪推してみたりする。疲労感にまみれながら、家路についたが、フェスならともかく、単独公演でこんなに疲れたのは初めて。まぁ、半分は運動不足と歳のせいだろうけど…w

そう言えば、『Beautiful Future』からは1曲もなかったのが少し残念…。実は『Beautiful Future』の来日ツアーの際、直前で仕事の予定が変更になり、行けなくなったという経緯があり、個人的には"Can't Go Back"あたりを聴きたかった。

さて、来週は同じくZepp NambaでAtoms For Peace。トム・ヨークとフリーを同じバンドで見れるなんて、改めて考えるとすごいな。楽しみです。


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あゆこ

お久しブリーフ(笑)待ってましたのノリノリ花毛ダラ・ケさんのLIVEレビュー!一気読みしましたよ。プライマルはシングル曲しか馴染みがないのですが魅力が伝わってきました。今までの楽曲はこの曲の為…わかります!陶酔の瞬間が羨ましいです。
AFPも楽しみですね*\(^o^)/*
こちらは23日にもちろん行きます。
by あゆこ (2013-11-20 08:37) 

HanageDarake

あゆこさん、コメントありがとうございます。

AFP、良かったですよ~。
また近いうちにレビューしようと思います。

あゆこさんは明日行くんですね。
既に観たけど、うらやましい!!もう一回観たいです(><)

by HanageDarake (2013-11-22 09:05) 

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